大山・三朝温泉・鳥取砂丘を巡る。part 1

大山・三朝温泉・鳥取砂丘を巡る。 tour

4月30日 大山から三朝温泉に

伯耆富士

今回のツアーは、大山から倉吉、そして三朝温泉に泊まり、翌日鳥取砂丘に行く行程だ。

大山はバイクのメッカ、ここ数年は毎年のように行っている。
ソロで行くときは、休暇村奥大山か、米子か倉吉のビジネスホテルにとまるのだが、今回は三朝温泉の「旅館大橋」に泊まる予定だ。

旅館大橋のことは後述するとして、まずは大山を目指して走った。

大阪から3時間半、米子自動車道の溝口ICで降り、大山の桝水高原を目指す。
溝口ICを降りると、桝水高原へは一本道、大山に向かうメインストリートだ。

2,3分も走ると大山の雄姿が姿を現す。
大山は別名「伯耆富士」と呼ばれているが、この道から見る大山は確かに富士山に似ている。

2025年4月30日 岩立の農道から

いつもは大山周回道路を走るのだが、少し寄り道するように必ずこの道を通るようにしている。

この写真を撮ったのは、溝口ICから2,3分走ったところにあるチェーン脱着場の近くからだが、必ずここで伯耆富士の写真を撮る。
このパーキングから道路を渡って農道に入ったところからは、電線が映りこまないで伯耆富士の美しい姿が撮れる、僕のお気に入りの場所だ。
伯耆富士と呼ばれるこの美しい姿を見れるのは、僕の知る限り真東に位置するこの道しかない。

2021年9月に南側から撮った大山

二つの写真を比べると、同じ大山だと思えないだろう。

北側や南側から大山を見ると、山頂の尾根筋は凸凹とした稜線になっている。
しかし冬にこの大山を見ると、北アルプスや谷川岳の雰囲気に似ていて、それはそれで美しい。

大山は数千年前まで活動した巨大火山で、西側の弥山から剣が峰の尾根筋は南北両側が切り落ちており、かなり危険な登山道だ。
若い頃に何度か登ったが、剣が峰に至る道は上級登山者の道で、冬の雪山では何人もの遭難者を出している。

桝水高原とまきばみるくの里

溝口ICから桝水高原までは10分ほどで着く。

桝水高原は、火砕流堆積物によって作られた斜面地で、冬は小さなスキー場がある。
そのリフトは、春から秋には登山リフトとして営業しており、メインの登山道は大山寺から登る道だが、このリフトを利用して大山に登る人も多い。

リフトを降りると展望施設が作られていて、ベンチや木製のお洒落なブランコやハンモックまである。

ここからは米子から境港へと延びる弓ヶ浜半島の全体が見える。
弧を描く弓ヶ浜の曲線が美しい。

2023年7月30日撮影

霞んで分かりづらいが、右に弓ヶ浜の曲線、左には中海をうっすら見ることができる。
手前の草原は、これから行く大山まきばみるくの里の牧草地だ。
上から見ると、まきばみるくの里の駐車場はガラガラだ。

この桝水高原の駐車場もいつになく空いていた。
こんなに空いている桝水高原は初めてだ。
連休の合間の平日とは言え、何故こんなに空いているのか、不思議な感じがした。

大山まきばみるくの里

桝水高原を出て、大山まきばみるくの里に向かう。
桝水高原の駐車場からは5分ほどで着く。

大山まきばみるくの里は、大山乳業農業協同組合が運営している牧場だ。
ここで生産されているのは牛乳やバターなどの乳製品が中心で、牛乳は関西でも白バラ牛乳の名前で販売されており、宅配も扱っている。

レストランや売店も併設されており、牧草地では放牧された牛を見ながらシートを広げて、お弁当を食べることもできる。
特に人気なのはソフトクリームで、生乳で作るだけあって確かにおいしい。

ここも大山に来ると、ソフトクリーム目当てに必ず立ち寄る。
夏の休日などは、広い駐車場も満車になり少し下ったところにある第二駐車場に回されることもある。

この日は桝水高原を出たのが、12時すぎ、まきばみるくの里のレストランで昼食を摂ろうと考えていた。

桝水高原の展望台から見た時も思ったことだが、着いてみると駐車場はガラガラだ。
駐車場の入り口に看板 「本日休業」!
えっ! ゴールデンウィーク中なのに休み⁉

駐車場には5,6台の車が停まっているので、もしかしてレストランは営業しているのでは、と期待しながら、レストランに行ってみるが、
レストランの入り口のガラスのドアはブラインドが下ろされ、「火曜日定休日」の看板が掲げられている。
今日は水曜日なのに…と思ってみたが、昨日は祝日でこの日は代休だと感づいた。

平日とは言え、ゴールデンウィーク期間中だから営業すればかなりの客が見込めるのに、と思ったが、協同組合という公共性の強い組織だからだろう、週1回の休みはどんな時でも守るのだと想像できた。

それにしても、ここが休みだと昼食抜きになってしまう…
この近くにレストランは…?
10分程走った所の大山寺辺りに、いくつかカフェやレストランがあることは知っているが、もっとこの地らしいものが食べたい。

…ふと、次に行く予定の鳴り石の浜の近くに「海」という海鮮料理の店があるのを思い出した。
海は、この辺りの名産の「モサエビ」を食べることができる店だが、30分ほど走らなければならない。
さらに海は人気店で、昼時はいつも待ちが入る。

時は12時半、到着が1時、30分ほど待つとして1時半になってしまうがと、提案すると快諾を得た。

モサエビと白イカ

急いで「海」に向かう。

途中まきばみるくの里から5分程走った所に大山寺がある。
今回、計画の時から大山寺はスルーすることにしていた。

なぜなら、下の県営駐車場から大山寺の本堂まで行くのに15分程歩かなければならない。
往復で30分、お参りを含めると1時間。
他にも行きたいところがあるタイトな行程で、1時間費やすと三朝温泉に着くのが遅くなってしまう。

白兎神社と、どちらにするか悩んだのだが、海の側にある白兎神社に行くことにした。

海へは、大山寺から海側に降りて、9号線のバイパスを走って琴ノ浦へ行き、国道9号線沿いにある。

着いてみると、案の定、海の駐車場は車があふれている。
道路を渡った道の駅赤碕の駐車場に車を停め、入り口にあるシートに名前を書く。
20組程待っている…1時間程待つことになるかもしれない。

入口には、モサエビは売り切れになる可能性がある由の書き込みが掲げられている。
ここまで走ってきてモサエビが食べれないとなると、かなりのショックだ。

30分程道の駅の農産物販売所を見て戻ってみると、後5,6組になっている。
店内には座敷やテーブルがかなりの席がある。
回転は速いようだ。

到着してから40分、テーブルに案内された。
意外と早かった。

モサエビは売り切れになっていないようだ。

山陰の特産に白イカがある。
富山や能登でも食べることができるが、山陰で獲れる剣先イカは白イカと呼ばれている。
太平洋側で獲れる剣先イカ(ヤリイカ)より、柔らかく甘みが強い。

モサエビと白イカ丼を、注文した。

モサエビは、深海で獲れる甘えびの亜種だが、鳥取県だけに水揚げされる。
鮮度が落ちやすいので、境港周辺の地元でしか食べることができない。

しっかりした身のモサエビは、甘えびより甘みが強い。
白イカも獲れたてだからだろう、身も柔らかく甘い。
モサエビと白イカの取り合わせは絶品だ。
一品2,500円の価値はあると思った。

モサエビと白イカに満足して、僕の大好きな鳴り石の浜に向かう。

鳴り石の浜

鳴り石の浜は、「海」から海沿いの国道9号線を5分程米子の方に走った所にある。

あまり知られていない観光地だが、かなりの台数が停めれる公共の無料駐車場があり、レストランもある。
今回行くと、レストランは改装されていて、海の見えるテラスが作られていた。

鳴り石の浜とは、波に削られた丸い石が打ち寄せられた浜で、この丸い石が波によって引きずられてコロコロと音を立てるので、鳴り石という名がつけられている。
浜のベンチに座って、このコロコロという音を聞いていると気持ちが癒されるのだ。

石が波に洗われて立てる音で癒される事を知ったのは、四国の日和佐の南にある外牟井の浜というところだ。
その後地図で「鳴り石の浜」という名前を見つけ、今から数年前にここを訪れた。

今まで大山に来ると、癒される音を聞きたくて何度も訪れるのだが、穏やかな波だと石は引きずられず音を立てない。
今までここを訪れて、石が鳴るのを聞けたのは2度ほどだ。

この日は風が強くかなり高い波が立っていたので、今日は音を聞けるだろうと、期待しながら訪れた。

しかし浜に降り立ってみると、打ち寄せる波が思いのほか高く、波の音に消されて石の鳴る音が聞こえない。

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2025/04/30 鳥取鳴り石の浜

この鳴り石の浜では、石を立てて積み重ねる石積みを見かける。

石の微かな窪みに石の先端を合わせてバランスをとって置くと、石碑や墓石のように楕円の石を立てることができる。
石を立てるには微妙なバランスをとらなければならず、かなりの集中力が要求される。
上手な人は、2段3段と石を積み重ねる人もいる。

この日は石積みをする時間はなかったが、独りでバイクで行った時は1時間程石の鳴る音を聞きながら、石積みにチャレンジする。
バイクで長距離を走った時は、バイクを降りてゆっくり過ごす時間や別のことに集中する時間は必要なのだ。

鳴り石の浜を出て、次の目的地のコナンの原作者 青木剛昌のふるさと館に向かった。

漫画 名探偵コナンのふるさと

鳥取県は、有名な漫画家を二人排出している。

一人は、境港市出身の水木しげる。
JR境港駅には東に向かって水木しげるロードがあり、道の両側にゲゲゲの鬼太郎のキャラクターの銅像が立ち並び、先には水木しげる記念館がある。

もう一人は、名探偵コナンの原作者、青木剛昌。
北栄町出身だ。

北栄町役場からコナン通りが海に向かって作られている。
コナン通りにはコナンに登場するキャラクターの像だけでなく、コナンの家や商店街などが再現されていて、海の側、国道9号線沿いに青木剛昌ふるさと館が作られている。

コナンが掲載されてから30年は経っているようだが、コナンが人気になったのは僕が30歳過ぎてからなので、漫画を読んだことはない。

会社の30代40代の連中は愛読していたようで、コナンを話題にしているのをよく耳にする。

コナンは国際的にも人気のようで、アメリカ人が仕事で日本に来た時、帰りにコナンの単行本を何冊も土産に買って帰った。

今までここに立ち寄ったことはないのだが、倉吉に行く道の途中にあるので行ってみることにした。

青木剛昌ふるさと館は、道の駅の奥にあり、専用の広い駐車場もある。

この日はここをメインと考えていなかったので、手前の道の駅に車を停めた。

駐車場には多くの車が停まっている。
多くの入場者を見込んでいたのだろうか、臨時のチケット売り場を外に設け、チケットを買う人が並ぶことを想定して行列を誘導する柵を設けている。

館内の入場は、時間指定されているようで、チケットには入場時間が記入されていたが、待ち時間はなく入場できた。

館内に入ると、右に展示スペース、左にグッズの販売所があり、どちらにもかなりの人が入っていた。

展示スペースにはあまり興味がなかったので、グッズ売り場を見て回る。
コナンのキャラクターをあしらっているが、どこにでもあるようなグッズばかりだ。
タオル、Tシャツ、ステッカー、バッジ、お菓子。
こういう記念品やグッズを一手に引き受ける業者があって、うちの会社でもイベントなどの際にときどき発注したことがある。

人気キャラクターのグッズの売り上げは、相当の額に上る。
あるイベントでは、売り上げが数千万円に上ったこともある。

今回立ち寄ったのは、こういうグッズ販売の視察も兼ねていたが、あまり他のイベント販売と変わり映えがしなかったので、早々に出ることにした。

倉吉白壁土蔵群

コナン通りから倉吉までは、15分ほどで着く。

倉吉は室町時代には伯耆国の国府が置かれ、南北朝、戦国時代には、山陰の産業、流通の栄えたところだ。
江戸時代には、綿織物(倉吉絣)や鉄製農機具などの産業が全国的に広まり街が栄えた。
その頃の遺構が白壁土蔵群として残っており、伝統的建造物保存地区として街並みを保存している。
南の倉敷、北の倉吉と言われ、中国地方の古い街並みが残る街である。

倉吉を一日見て回ると見どころは多く、古い家屋を利用した物産店や食事処がいろいろあるのだが、今回は白壁土蔵群の周りだけの散策をした。

2025/4/30 倉吉白壁土蔵群

白壁土蔵群の街並みを周るだけなら、30分もあれば回れてしまう。

今回のツアーの一番の目的である三朝温泉には、4時には着きたい。
時間も3時を過ぎていたので、どこにも立ち寄らず、三朝温泉に向かうことにした。

三朝温泉の詳細は次のブログで書くことにする。

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