北海道バイクツーリング 第6日~第9日 2022/5/26-5/29

Bike touring

around 70 極北の地へ

リベンジ 知床横断道路

僕が大学1年の夏休み、自転車で北海道を走った経験がある。

かれこれ四十数年も前なのだが、その頃知床横断道路は未舗装だった。

砂利道の急坂を必死で登ったが、途中そこいらじゅうに掲げられていた「熊に注意!」の看板と、知床峠まで冷たい雲に覆われて、ウトロまで一気に下った印象しかない。

昨年7月1日、道東をバイクで走った時も知床峠まで雲に覆われ、羅臼岳は見れなかった。

多くの人がブログや紀行文で知床横断道路の美しさを謳っているのだが、その美しさを体験できていない。

今年こそはと、知床横断道路を走った。

今年の知床横断道路は晴れ渡っていて、リベンジを果たすことができた。

北海道の太平洋側は、春夏の南風が大雪山系や知床山脈にさえぎられた上昇気流で雲や霧が発生する。

北海道東南部に釧路湿原や霧多布湿原などの湿原が多いのも、太平洋側からの湿った風の所為だ。

知床半島の羅臼も、春は曇りの日が多くじめじめした印象だ。

その分北海道東南部の冬は雪が少ない。

釧路までをブログに書いた今年の冬の北海道のツアーでも、札幌や旭川は大雪で空港が閉鎖されていたが、釧路や中標津は雪が少なく空港も開港されていた。

そんな知床横断道路も今年は晴れ渡っていた。

27日はsecond scheme

羅臼から知床横断道路に走り出す前、ウトロの「ネイチャーオフィス」に電話して、明日の「ネイチャーオフィス」の空きぐあいを問い合わせた。

計画では、この日と前日のシャチ・クジラ・ウォッチングクルーズでシャチを見れなかった時のため、予備日として何の予約も入れていなかった。

もし見れなかった場合は、ウトロからの「ゴジラ岩観光」のシャチ・クジラ・ウォッチングクルーズに参加する予定だった。

見れた場合は、「ネイチャーオフィス」の羅臼湖トレッキングか知床自然体験コースに参加することを考えていた。

「ネイチャーオフィス」に電話すると、27日は知床五湖1周ツアーにしか空きがないとのこと。

知床五湖一周ツアーは、昨年も参加した。

昨年は、知床横断道路から直接「知床五湖フィールドハウス」に行き、ちょうどその時ネイチャーオフィスではないガイドの知床五湖巡りに空きがあったので、いきなり参加した。

その時の参加費は7000円だったが、ネイチャーオフィスのツアーだと5000円だ。

今年の冬、「ネイチャーオフィス」の冬の知床自然体験プログラムに参加したのだが、その時の佐々木さんという女性のガイドが知識が豊富で素晴らしかった。

この春も「ネイチャーオフィス」のいいガイドに巡り合えることを期待して「ネイチャーオフィス」のツアーに参加することにした。

世界自然遺産知床を自然ガイドと歩こう | 知床ネイチャーオフィス【公式】
世界遺産知床をご案内する自然ガイドです。...

羅臼湖トレッキングと知床自然体験コースは、空きがないとのことなので、仕方なく昨年も参加した知床五湖一周ツアーに参加することにした。

今年は知床横断道路を降り、ウトロへ行く道と知床五湖フィールドハウスへ行く道の三差路の角にある「知床自然センター」に立ち寄った。

「知床自然センター」には、知床の自然の展示物やトレッキングルートの紹介、ヒグマに対するレクチャーなどがある。

その横に、North Faceのショップがあり、North Faceが経営するCafeがある。

このCafeは、さすがパイロットショップの経営するCafeだけあって雰囲気は素晴らしいのだが、全体的に値段が高い。

ホテルにチェックインするには早いので、羅臼では味わえなかった都会の雰囲気でコーヒーを飲むことにした。

ウトロの定宿 ホテル季風クラブ知床

この日の宿泊は、「ホテル季風クラブ知床」だ。

ホテルにチェックインする前に、ホテルを通り過ぎてウトロ漁港に行った。

この日は知床で沈没した「KAZUⅠ」がウトロ漁港に繋がれているはずだ。

ウトロ漁港に行くと、港の岸壁から離れた防波堤に「KAZUⅠ」がのせられた台船が停泊していた。

漁港の岸壁には、その「KAZUⅠ」を見る観光客が数人いた。

「KAZUⅠ」は明日、網走に向けて移動するという話だ。

ウトロの観光船の波止場へ行ってみると、観光船の事務所はすべて閉まっていた。

「KAZUⅠ」の事故以来、小さな船を運航するウトロの知床観光の船はすべて運休していた。

この時運航していたのは、大型船を運航する「オーロラ」だけだった。

その所為か、港の近くの飲食店やお土産屋もがらんとしていた。

ウトロの町自体も人影が少ない。

ウトロの町を一回りしてホテルに向かう。

このホテルは、昨年そして今年の冬も宿泊したウトロでのお気に入りの定宿だ。

このホテルの道路を渡ったところが海だ。

冬は目の前の海に流氷が接岸する。

春夏は、部屋の窓から海に沈む夕日を撮影できる。

冬のホテルの前景。

こじんまりしているが、お洒落な外観。

バイクは一台なら、玄関横に停めることができる。

ここには、貸し切り露天風呂が3つあり、予約して入ることができる。

ウトロにはメジャーなホテルがいくつかあるが、どのホテルも宿泊料が高い。

「ホテル季風クラブ知床」はホテルと銘打っているが、家庭的な雰囲気のプチホテルという印象だ。

ここも宿泊料は安くはないが、部屋の雰囲気や従業員の接客が親近感があり、なじみやすい。

ホテル季風クラブ知床【公式HP】|世界自然遺産知床の小さなホテル
知床ウトロ温泉にある家族経営の温もり溢れる小さなホテル。ご宿泊はホテル季風クラブ知床。世界自然遺産知床まですぐ。Welcome to the Hotel Kifuu Club Shiretoko,a cozy family run hotel.It is located close to the Shiretoko n...

いつものところにバイクを停め、ここの高齢のお母さんに案内されてチェックインする。

気を使ってくれているのか、3度とも同じ部屋だ。

チェックイン時に露天風呂の予約と食事時間の予約をし、先に風呂に入ることにした。

知床五湖巡り ― ネイチャーオフィス

この日は、前日予約したネイチャーオフィスの知床五湖一周ツアーだ。

朝9時にネイチャーオフィスがホテルに迎えに来る。

ホテルにバイクを停めさせてもらって、荷物をロビーに置かせてもらい、チェックアウトを済ませて迎えを待つ。

9時5分ほど前にネイチャーオフィスのワゴンが迎えに来た。

この日、ホテル季風クラブから参加するのは、僕だけだった。

ワゴンには、もう8人の客が乗っている。

名前を忘れたが若い女性のガイドが、運転席に座っている。

ウトロのホテルやペンションから乗車した客だ。

ワゴンは、ホテルから500mほどのところにあるオフィスに寄って、行程や注意事項の説明を受けて、知床五湖フィールドハウスに向かう。

ネイチャーオフィスのガイドは、どのガイドも説明や客とのコミュニケーションがうまい。

フィールドハウスでヒグマの注意事項のビデオを必ず見なければならない。

ヒグマがツアーコースの近くで目撃されると、すべてのツアーは中止されるらしい。

2度の参加では、まだ中止になったことはない。

しかし日に2,3日に1度は目撃され、春はたびたびツアーが中止になるということだ。

全員で20分ほどのビデオを見て、いざ出発。

ガイドは違うが昨年も知床五湖巡りに参加しているので、目新しさは感じないがガイドのうまい誘導で楽しく回ることができた。

知床五湖は美しい。そして時々野性動物と出会える。

鹿、リス、野鳥、そしてヒグマ。

この日も私たちが通り過ぎた後、鹿がツアーコースを横切って行った。

鹿がツアーコースを横切る。私たち人間までの距離10m。
北海道の鹿はあまり人間を怖がらない。私たちから20mほどのところで草を食べ始めた。

ツアーは五湖から順番に回り、三湖までは林の中を歩く。

二湖辺りから視界が開け、知床山脈の山が見え始める。

一湖に出ると笹の草原の上、高い位置に立派な木道が設けられていて、視界が開ける。

今年は曇り空。昨年ほどの解放感は感じられなかったが、この木道からの知床山脈の山々は美しい。

三湖あたりの森。手前の大きな葉は水芭蕉の葉。これを熊が食べに来る。
二湖からの知床の山を見る。羅臼岳の上部は太平洋からの雲に覆われていた。
一湖の木道からは、解放感のある風景が広がる。
木道からは、海も見える。この日は曇り空で海が沈んで見えた。浮雲が美しい。
北海道らしい解放感のある風景。

昨年来たときは晴れていた。

昨年の写真。二湖から知床硫黄山をみる。2021/7/1
昨年の写真。一湖から羅臼岳をみる。2021/7/1
昨年の写真。岩の隙間から生えるかわいい植物。なんていう名前だろう? 2021/7/1
昨年の写真。昨年は夕方に一湖に帰ってきた。木道が見える。2021/7/1
昨年の写真。海が夕日で輝いている。2021/7/1

9時にホテルに迎えに来て、ホテルに着いたのは12時過ぎ。

荷物を置かせてもらったロビーには、お母さんがいて荷物を見張っていてくれた。

バイクに荷物を積み込んで、出発。昼食を予定している道の駅ウトロへ向かった。

天まで続く道のスタート地点で立ちごけした。

昨年はウトロのウトロ漁協婦人部食堂でうに丼を食べたのだが、今年は太平洋側のウニが赤潮で全滅したということを襟裳岬の寿司屋で聞いた。

オホーツク側のウトロも被害にあったのだろうか、それとも「KAZUⅠ」の影響か、漁協婦人部食堂は閉まっていた。

道の駅ウトロでは、鹿肉のカレーを食べた。

道の駅ウトロも昨年や今年の冬に比べて、閑散としている。

天気予報を見ると網走地方は夕方から、雨の予報だ。

今日の宿泊は、網走郊外の「ファーム・イン・アニマの里」だ。

この日は網走の主だったビジネスホテルの多くが満室だった。

偶然見つけたのが「ファーム・イン・アニマの里」だった。

ここは、羊や山羊を飼う農家が営んでいる。

羊や山羊をまじかに見れるらしい。

宿のチェックインは15時から、ウトロからは1時間半ほどで着く。

途中、昨年行けなかった「天まで続く道」と、昨年行って素晴らしい景色だった「能取岬(のとろみさき)」へ寄って行こうと思う。

「天まで続く道」のスタート地点に、車が10台ほど停められる駐車場がある。

前の車に続いて駐車場に入ると、入り口に向けてかなりの片斜面だ。

とてもバイクがサイドスタンドで停めれそうもない。

Uターンしようとして、失速して立ちごけした。

片斜面の下に向けて倒れたが、300㎏近い重量のバイクを起こせない。

周りのドライバーに手伝ってもらってバイクを起こすことができた。

駐車場の入り口の横にバイクを停めた。

天まで続く道のスタート地点から見た一直線の道。たしかに道は地平線へと消えている。

北海道には一直線の道がいたる所にある。

この後行く予定の、ライダーの間で有名な「猿払エサヌカ線」やサロベツ原野の「オロロンライン」などは雄大な景色で有名だが、直線だけなら中標津辺りの道路はほとんどが20km以上の直線だ。

北海道で最も長い直線道路は、美唄(びばい)―滝川間の国道12号線の29.2kmらしい。

今年、帰りに走れたらいいなと思っている。

能取岬(のとろみさき)から宿へ。

「天まで続く道」を終点まで走って、網走に向かった。

網走までの途中にも、素晴らしい景観の場所がある。

湯沸湖の小清水原生花園は展望台がある。

そのそばの駅「原生花園」や「北浜」駅は木造の小さな駅舎があるだけの駅だ。

北浜駅には展望台が設けてある。

冬の流氷が接岸している時は、荒涼な風景をはしる釧網線の小さな列車が素晴らしい被写体になり、多くの観光客が時間を見計らって集まっている。

網走は通過し、能取岬に向かう。

能取岬は昨年初めて訪れたのだが、あまりの雄大な美しさに圧倒された。

広大な草原とそれに続く海。そこに孤高に立つ白黒の縞模様の灯台が荒涼とした風景を作っている。

昨年の写真。右の灯台が独特のアクセントになっている。
昨年の写真。草原と海。人工物のないこのような風景はそう見当たらない。
冬の能取岬。
冬の能取岬。流氷が接岸している。

能取岬に着く少し前から、雨が降り出した。

能取岬の写真は昨年撮ったので、今年は写真も撮らずに「ファーム・イン・アニマの里」に向かうことにする。

「ファーム・イン・アニマの里」は山羊や羊を飼っていて、それらの動物に触れあえることだったが、到着して間もなく雨が降り出したせいか、宿から見える牧場には姿が見えなかった。

バイクを車庫に停めさせてくれたり、食事も手造りだが温かみのある料理で、オーナー夫妻の人柄の良さが伝わってくる宿だ。

網走に来たときは、もう一度泊まりたいと思った。

翌朝まで雨が降り続いたが、出発する頃にはほとんど止んだ。

この日は浜頓別まで走る。

早々に出発する。

出発するとき、小屋から山羊の鳴き声が聞こえ、顔を覗かして見送ってくれていた。

単調な海沿いの道

網走から宗谷岬までは、300㎞足らず。一日で走れる距離だが、途中、カーリングの町常呂町やサロマ湖、エサヌカ線など立ち寄りたいところがいくつかあり、それらに寄っていると時間が足りないと思われたので、エサヌカ線の手前の浜頓別に泊まることにした。

以前からカーリングには興味を持っており、近年のロコソラーレの活躍には注目していた。

常呂町は日本のカーリングの中心地となっていて、ロコソラーレの出身地だ。

常呂町には、ロコソラーレのベース「常呂カーリングホール」があり、ここに寄ってみたいと思っていた。

しかしインターネットで見ると、このホールには会員にならないと入場できないようだ。

仕方なく「常呂カーリングホール」は前を通過するだけにしてサロマ湖のワッカ原生花園に向かう予定にした。

出発前天気予報を見ると、午前中は紋別辺りまで雨が降る予報だ。

雨の小降りになったすきを見て宿を出発したが、いつ本降りになってもおかしくないような雲行きだ。

サロマ湖畔の道の駅愛ランド湧別まで一気に走る。

道の駅で雨雲レーダーを見ると網走辺りは雨だが、サロマ湖より北はこの日一日雨雲がかかっていない。

そこで宿で聞いたチューリップ祭りが開かれている上湧別のチューリップ公園に寄ることにした。

チューリップ公園に寄ると、確かにチューリップ祭りは開かれているのだが、時期がやや遅く約半分の品種の花は刈り取られていた。

あと1,2週間早ければ、広大な敷地に色とりどりのチューリップが咲く光景が見れただろうと思う。

山裾まですべてがチューリップ畑だ。左の方でチューリップの刈り取り作業をしている。
チューリップは半分ほどが残っているだけだった。

上湧別チューリップ公園を出て、浜頓別に向けて走る。

紋別を過ぎるとひたすら海沿いを走る。

直線が主体で、ところどころわずかなアップダウンと緩いカーブがある単調な道だ。

この日は、あいにくの曇り空、ところどころで見れる太平洋もどんよりとしていた。

紋別から浜頓別まで海沿いを走る。(3:10 音あり)

浜頓別までの間には、興部(オコッペ)、雄武(おうむ)、岡島と3つの道の駅があるが、レストランを併設しているのは「道の駅マリンアイランド岡島」だけだ。

どの道の駅も閑散としていた。

枝幸(えさし)辺りを過ぎると、雲が低く垂れこめ、小雨が降ってきた。

枝幸の先にある太平洋側の北緯45度モニュメントは、見過ごしてしまった。

その先に「北緯45度国際記念公園」の案内表示があったので、その脇道に入ってみる。

記念公園という名前にも関わらず、単なる広場だった。

停まることもせず、駐車場でUターンして北に向かった。

浜頓別までの間に「北神威岬」という表示があったのでその脇道に入ってみるが、太平洋に突き出た岩山という雰囲気。

この頃になると、雨も本格的に降り始めた。

北神威岬からは、「はまとんべつ温泉ウィング」までは、20分もあれば着いてしまう。

この時点で15時30分。少し早いが冷えた身体を温泉で温めることを楽しみにホテルに向かった。

雨のエサヌカ線

「はまとんべつ温泉ウィング」は、行政が運営している宿泊施設だ。

建物や設備は充実しているが、スタッフが事務的だ。

フロントでは、宿泊名簿を書いて鍵を渡されて食事時間を聞かれただけで、館内の説明はまるでなし。

部屋に入ると、デスクの上には「部屋での喫煙が発覚した場合は、3万円の罰金」と大きく書かれた紙が置かれていて、館内の説明のファイルは引き出しにしまわれていた。

食事もHomePageには旬の郷土料理とうたっているが、よくある陶板焼きや唐揚げが準備されていて、ご飯もお茶もセルフサービス。

味噌汁は、もうほとんど食事が終わる頃にようやく出てくる始末。

観光客を当て込んだ公共の宿なのだろうが、これでは旅行会社も誘致できないだろうと思う。

外は雨が本格的に降り出した。明日は雨だろう。

網走から宗谷岬まで一気に走らず、ここで一泊したのは正しい選択だったのかもしれない。

やるせない気持ちで、早々に風呂に入って部屋にこもった。

朝は早々に出発。まだ雨が残っている。

ここから猿払エサヌカ線の入り口まで、10分もあれば着いてしまう。

天気予報を見ると、昼過ぎまで雨模様だ。

地平線まで続くと言われるエサヌカ線は、雨中の走行になりそうだ。

それでも広大な風景を感じられるだろうと、エサヌカ線に向かった。

地平線に消える道ー猿払エサヌカ線(1:08 音あり)

エサヌカ線に入ると、ますます雨が強くなってきた。

しかし地平線に消える道は感じることができた。

雨のエサヌカ線は車もバイクもほとんど走っていない。

この日猿払までに出会ったのは、車一台とバイクが一台だけだ。

堂々とセンターライン上を走ることができた。

猿払に入る頃、徐々に雨が小降りになってきた。

猿払から宗谷岬までは30分余りで着く。

猿払を過ぎ宗谷岬までの中ほどまで来ると、雨は上がった。

路面も乾いている。この辺りは雨が降っていなかったようだ。

雨が上がるとかなり寒い。

宗谷岬と白い道

10時すぎに宗谷岬に到着した。

宗谷岬には立派な日本最北端の地の碑が立っている。

40年前に来た時は、舗装された駐車場も碑もなかった。

車が停めれる広場と、木の看板があっただけだ。

この駐車場はバイクにやさしい。

最北端の碑を入れたバイクの写真が撮れるところにバイクの駐車場がある。

宗谷岬 日本最北端の地の碑
最北端の地の碑を入れてバイクの写真を撮った。

宗谷岬に日本最北端の地の碑があるが、実は日本の実効支配している最北端の地は宗谷岬の先にある弁天島だそうだ。

この弁天島には、冬になると数千頭のトドがやってくるらしいが、この時季はもういない。

いたとしても遠くてなかなか見れないだろうと思う。

宗谷岬は風が強く吹いていた。寒い。

写真を撮ると、早々に次の目的地の白い道に向かう。

宗谷岬と白い道(5:49 音あり)

白い道へは、宗谷岬の駐車場の向かい側の駐車場から宗谷岬灯台のある宗谷岬公園へ上がっていく。

宗谷岬公園まで上がると、そこからは宗谷丘陵だ。

宗谷丘陵は「周氷河地形」といい、地面の水分が凍ったり溶けたりを繰り返してできた台地で、広大な牧草地が広がる。

バイクで走っていて気持ちがいい。

白い道へ行くまでに何度か曲がるが、白い道への道標が完備されているので迷うことはない。

その昔、この台地の上の道は雪が融けると泥濘で車が走れなくなるので、砂利に代わって港に捨てられていた貝殻を砕いて撒いて車や馬車が走れるようにした。

今はほとんどの道が舗装されているが、生活道路として使われていない一部を観光資源として残しているそうだ。

白い道に行くまでにも、牧場の私有の道には貝殻を撒いた道が見られた。

白い道のある道は、狭い。

バイクでも車と離合するのは神経を使う。

2,3カ所、離合するスペースが設けられているが、車同士だとほぼ無理だろう。

基本は、宗谷岬側から入った方がいいと思う。

白い道の終点は宗谷の村に出るのだが、そちらからは標識が見当たらない。

白い道は10分ほどで抜けることができる。

ノシャップ岬へ

白い道を出て、一旦宗谷岬へ戻る。

宗谷岬の駐車場から150mほど猿払側に行ったところに、ガソリンスタンドがある。

ここでガソリンを入れると、最北端給油証明書とホタテ貝のキーホルダーがもらえる。

それを目当てにそのガソリンスタンドで給油して、証明書とキーホルダーを手に入れた。

宗谷岬の駐車場へ戻って、少し休憩をとる。まだ12時前だ。

この後、宗谷湾をはさんで宗谷岬と対をなすノシャップ岬へ行こうと思っている。

ノシャップ岬には、ライダー御用達のうに丼の店「樺太食堂」がある。

まだ5月だから礼文島などのバフンウニは、入荷しているはずだ。

この年は、赤潮の影響で太平洋側のウニは全滅したということを、襟裳岬の寿司屋で聞いた。

日本海側のウニは市場に出回っているが、昨年より高価だそうだ。

昨年、ウトロの「ウトロ漁協婦人部食堂」で長い行列を並んでバフンウニを食べた。

その時のうに丼は、並盛で3000円だった。

樺太食堂は、例年ウトロ漁協と同じくらいの値段で出しているらしい。

今年は「ウトロ漁協婦人部食堂」は、「KAZUⅠ」の影響か、ウニが全滅した影響か、閉めていた。

今年の「樺太食堂」のうに丼はいくらだろう。

宗谷岬からノシャップ岬までは、稚内市街を抜けて40分ほどで到着する。

「樺太食堂」はノシャップ岬の駐車場の少し手前のノシャップ市街にある。

この辺りにうに丼やイクラ丼を出す魚介料理の店が2,3軒並んでいる。

何故かライダーは、ほとんどが「樺太食堂」へ行くようだ。

気さくな店構えで、駐車場も砂利の駐車場だからだろうか。

中に入ると、午後1時頃だが客は僕一人だ。

若い女将さんに聞くと、この時季はシーズンオフで客はほとんどいないとのこと。

うに丼は3500円と表示されていた。

昨年より少し値上がりしているようだ。

太平洋側のウニが全滅しているようだが、こちらはどうかと聞くと、日本海側は例年通り獲れているとのこと。

さすがに値段は昨年より上がったらしい。

ここのうに丼も下のご飯は全く見えないくらいウニがのっている。

少し出汁醤油をかけて食べる。うまい。

レシートに手書きで書いた値段を見ると、3300円になっていた。

レジで3500円のはずだが、と聞くと、この時季は寒いのに来てくれたのでライダーには200円割引していると言われた。

「ありがとう」と礼を言うと、「気を付けてね」と気持ちよく送り出してくれた。

ノシャップ岬の漁港の横の駐車場にバイクを停める。

灯台の方にも「南極越冬資料館」の駐車場があるのだが、イルカの像のある漁港側に停めた。

ノシャップ岬の看板。木の看板は最果て感があっていい雰囲気だ。
ノシャップ岬のイルカ像。ここまでバイクが入れたら写真が撮れたのに。

ノシャップ岬には誰もいなかった。

この時で2時過ぎ。風が冷たい。

この日の宿泊は、稚内の港の側の「ザ・サフィールホテル稚内」だ。

ホテルまで10分ほどで着いてしまう。

チェックインは3時からだから、まだ時間がある。

冬になるとゴマフアザラシが集まる抜海港に寄って、オトンルイの風車辺りまで走ることにした。

抜海港では、さすがにゴマフアザラシはいなかった。

オトンルイの風力発電所の前のオトンルイの駐車場に停めた。ここにはトイレがある。

オトンルイの風車の列。

オトンルイ風力発電所の風車の列は、オロロンラインの名物になっている。

写真を撮って、稚内に引き返す。

「ザ・サフィールホテル稚内」は、元はANAクラウンプラザのホテルだったが、経営が変わった。

しかしホテルの設備はANAホテルのままなので、ビジネスホテルとは一線を画する。

宿泊料は、ANAホテルより下がったようだが、近くのビジネスホテルよりは高い。

レストランは、明らかにANAホテルの本格的なレストランとは違う。

料理がハイレベルの旅館のような内容だ。あまり魅力を感じない。

結局夕食は近くにも魅力的なレストランが見当たらなかったのと、少し疲れを感じていたので、駅にあるコンビニの弁当で済ませることにした。

明日から、今回の北海道ツーリングの目的の一つ、利尻島と礼文島に渡る。

利尻島の鴛泊(おしどまり)行きのフェリーは、朝6:45に出る。

40分前までに乗船手続きをしなければならないので、6時にはフェリーターミナルに着かなければならない。

ホテルからフェリー乗り場までは、2,3分で着くが、5時半にはホテルを出なければならない。

「ザ・サフィールホテル稚内」に予約したのは、フェリー乗り場に最も近いホテルだからだ。

いよいよ初めての最北の離島へ渡る。

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