南東北バイクツーリング 第9日~第10日 猪苗代→大内宿→那須どうぶつ王国→鬼怒川温泉 2021/10/21~10/22

Bike touring
那須どうぶつ王国のぱーどパフォーマンス

9日目、すこし疲れを感じ始めた。

猪苗代高原は、磐梯山と猪苗代湖に挟まれたオールシーズンリゾート地だ。

磐梯山の火山灰の台地の上に、温泉やスキー場、リゾートホテルなどが造られている。

その東のはずれにリステル猪苗代がある。部屋数の多い高層ホテルなのだが、コロナ禍の影響もあるのだろうが、かなり空いていた。

磐梯高原には他にも、リゾートホテルがいくつかあり、高級温泉旅館や人気のペンションなども数多く、立地条件もあるのだろう、かなり苦戦しているようだ。

その所為か宿泊料金もかなりダンピングされていて、今回は上層階の広いツインルームをかなり安く泊まることができた。

窓からは、猪苗代湖も磐梯山も見れる絶景の部屋だった。

猪苗代湖の遠景
磐梯山

今日も天気はいいが、天気予報によるとかなり冷え込むようだ。

当初の予定では、この日は会津の鶴ヶ城とさざえ堂に寄った後、大内宿、そして今回のツーリングでどうしても見たいものの一つの那須どうぶつ王国のバードパフォーマンスに行く予定だったのだが、この日で極寒の中のツーリングも9日目、昨日の亘理(わたり)とあぶくま洞へのツーリングで300㎞ほど走った所為もあって、少し疲れを感じていた。この日の出発は、遅めの10時にすることにした。

この日のメインは、那須どうぶつ王国のバードパフォーマンスだが、このショーのスケジュールは午前11時と午後の2時。

那須までは2時間半ほどかかる。これらのすべてに立ち寄っていると午後2時のショーにも間に合わない。

観光案内を見ると、大内宿はかなり評価が高い。

もともと街道や宿場町に興味のある僕としては、大内宿を外すわけにはいかない。

会津はまた来れるだろうと、鶴ヶ城は外してさざえ堂の後大内宿に行き、ここで早めの昼食をとって那須向かうと、1時すぎにはどうぶつ王国に入れるだろう。

ゆっくり準備をしていると出発は11時前になった。30分ほどのさざえ堂に向かう。

さざえ堂は会津のはずれ、飯盛山にある。

飯盛山は、会津白虎隊の自刃の地で、白虎隊の資料館などもある。

さざえ堂への登り口の交差点を曲がったところに観光案内所があり、そこに車もバイクも無料で停めることができる。

観光案内所のある通りを見ると、なんか生活道路のような雰囲気。スーパーマーケットなどがあり、近所の町の人が買い物袋を提げて歩いている。

さざえ堂への登り口を見ると、市民の憩いの公園のよう。

疲れもあって、飯盛山に行く気をなくしてしまった。

出発時間も遅くなったので、さざえ堂もパスすることにした。

大内宿は、村全体がテーマパーク

大内宿へは、飯盛山から鶴ヶ城の脇を通ってR121に出て南下する。

下郷の町の手前で右折してしばらく走ると、大内宿の駐車場の看板が見える。その手前の左側にバイクと書いた看板。小道の入り口の角にバイクが数台停まっている。

駐輪場から大内宿の入り口まで100mほどある。カメラを持って緩い上り坂を歩く。

大内宿の入り口の向かいに大きな駐車場があり、かなりの車が止まっていた。大内宿は人気の観光地のようだ。

大内宿は、江戸時代から続く脇街道(下野街道)の小さな宿場であった。若松までも半日ほどの行程であったため、間宿として成り立っていたようで、本陣などはない。

駐車場の出入り口の向かい側に大内宿の入り口がある。入ってすぐ茅葺屋根のお土産物屋があった。コロナ禍にしては多くの人が行きかっている。

緩い上り坂を登って、緩いカーブを曲がると大内宿の全貌が見えた。結構幅の広い道の両脇に茅葺屋根の建物が整然と並んでおり、正面の小山まで2~300mほど。茅葺屋根のほとんどがお土産物屋か蕎麦屋。中には民宿を営んでいるところもある。

電線も電柱も全く見当たらない。道は舗装した上に砂をかぶせてあり、観光地として昔の写真で見た宿場町を再現している。映画のロケセットのようだ。

大内宿の入り口近辺
大内宿の資料館
ほとんどすべての茅葺屋根の建物はお土産物屋か蕎麦屋。コロナ禍にしては観光客が多い。

ただどの建物もまだ住居として使用しているようだ。建物の裏やその向こうには生活感があった。

ただこの集落は、観光地としてのルールが統一されており、個々の家々はその使命を全うしているようだ。

ここを訪れた観光客は、この通りの雰囲気を満喫できるだろう。村全体がテーマパークとして生きる道を作り出している。

突き当りの小山の中腹まで登ると、宿場全体の整然とした宿場全体が見渡せる。

大内宿の全景
雪が降り積もったころに来ると、美しいだろう。

大内宿でちょうど昼食時になったので、ここで昼食にすることにする。

それぞれの店は、手打ちそば、十割蕎麦、ねぎそば、くるみ蕎麦など、それぞれに個性を訴えているが、東北に来てから昼食は蕎麦ばかりで辟易している。

しかし食事処は、蕎麦屋ばかり目につく。その中にくるみ蕎麦の看板があった。くるみ蕎麦はいままで食べたことがない。山本屋という店でくるみ蕎麦を注文した。

くるみ蕎麦は、手打ちのそばをくるみを砕いたものが入っている甘めのつけだれで食べる。結構うまい。観光地らしくやや高めだが、くるみ蕎麦は僕の口に合っている。

くるみ蕎麦に満足して、大内宿を出た。

大内宿をじっくり観光したため、1時近くになっていた。ここから1時間、那須どうぶつ王国のバードパフォーマンスに間に合うだろうか。直接、那須どうぶつ王国に向かうことにした。

那須どうぶつ王国のバードパフォーマンス

googlemapでは、那須どうぶつ王国まで1時間10分ほどかかると表示されている。その通りだと、ちょうど2時ごろの到着になる。

那須どうぶつ王国は、入り口のある王国タウンと奥にある王国ファームに分かれていて、バードパフォーマンスのあるスカイスタジアムは、王国ファームの方にある。

王国ファームには、バスを使っても10分は見なければならない。なんとか2時10分前には着きたい。

交通量の多い国道は避け、山道の県道を飛ばした。

幸い那須へ入る国道289号も車は少なかった。この国道289号は快走道路だ。道幅も広く、周りの景観も素晴らしい。時間にゆとりがあれば、景色を楽しみながら走りたいと思った。

289号から那須甲子道路に入る。那須甲子道路はワインディングが楽しい。ここも車はほとんど走っていなかった。

なんとか那須どうぶつ王国の駐車場に2時15分前に入ることができた。バイクの駐車料は300円。那須どうぶつ王国の駐車場は入り口に上がる階段の近くに、数台停めれるバイクの駐輪場がある。

大急ぎでカメラを持って、王国ファームへのわんにゃんバスの乗り場に向かう。

バス乗り場には、バスを待つ行列ができていた。うーん、ショーの始まりには間に合わないか!

しかしバスはひっきりなしにピストン運航している。1台目には乗れなかったが、2台目に乗車。ショーの始まる5分前にはファームに着いた。

スカイスタジアムの通路にはもうショーを待つ人の列ができている。その最後尾に並ぶが、続々と人が集まってきた。

幸い、最前列の下手最前列に席をとることができた。

那須どうぶつ王国バードパフォーマンス(音あり 15分)

鳥の飛ぶ姿はなんて美しいのだろう。特に猛禽類が羽ばたかずに滑空する姿にあこがれる。

僕がバイクで走るのが好きなのは、この鳥が滑空する感覚に似ているからなのだ。

ワインディングで地面すれすれまでバイクを倒しながら走る。高速道路で時速100㎞で空気を切り裂きながら突っ切る。これと同じような感覚を鳥たちも感じているのではないだろうか。

間に合ってよかった。バードパフォーマンスを見ていた30分は、あっという間に終わった。

残念なのは、最前列で鳥の飛ぶ美しい姿を動画で捉えられなかったことだ。

最前列で、観客の頭上を飛ぶ鳥を撮ろうとすると、観客が邪魔をして思い通りに撮れない。

もう一度来よう。この時は、来年の春にもう一度那須に来ることに思いをはせた。

バードパフォーマンスを終えると、王国タウンに戻るバスに乗る客が長い行列を作っている。みんなバードパフォーマンスが目当てなのだ。

王国ファームでは、後は馬や羊の餌やりなど子供向けのイベントばかりで見るべきものがない。

長い行列の最後尾に並ぶと、ひきりなしに来るバスのおかげで10分もするとバスに乗れた。

那須どうぶつ王国には、他にもマヌルネコやレッサーパンダなど人気の動物がたくさんいる。

スナネコ
アカカワイノシシ
ヒロハシサギ
ハシビロコウ

王国タウンをいくつかの動物を見て回ったが、夕方になっていて動物も動きが少ない。

しかもここまで突っ走ってきたせいか疲れを感じて、軽く見て回ったが熱が入らない。

那須どうぶつ王国もかなり標高は高いのだろう。夕方になってどんどん冷え込んできた。

王国タウンのカフェでコーヒーで身体を温めて、早々に次の宿泊地の休暇村那須に向かうことにした。

この時季、那須は寒い。

那須どうぶつ王国に来る前、国道289号線に入ったころから、バイクの給油ランプが点いていた。

しかし大内宿から那須どうぶつ王国まで、県道を走ってきた所為かガソリンスタンドが一軒もなかった。もちろん時間がぎりぎりだったので、あっても寄る気はなかったのだが。

しかしランプが点いてから、30㎞以上走っている。

NC750Xは、給油ランプが点いてから100㎞ほど走ることができるはずだが、さすがにもう入れないと明日出発するとすぐにガス欠になる可能性がある。

googlemapでガソリンスタンドを探すと、那須高原の避暑地からさらに塩原に下ったりんどう湖の近くにしかない。高原の最上部に近い休暇村那須とは逆の方向だ。那須どうぶつ王国から10㎞以上ある。

とりあえずガソリンを求めて、那須グリーンロードでりんどう湖近くのガソリンスタンドに向かった。

観光地のガソリンは高い。ロングツーリングに出た時は、ガソリンはできるだけ町で入れるようにしているが、今回はしょうがない。檜原湖で入れた時と同じリッター171円もかかった。

ガソリンを入れた段階で、4時を過ぎていた。ここから那須ロープウェイの少し手前の那須休暇村に、那須高原線で向かう。

那須は意外と標高が高い。那須の中心地辺りで800m、ロープウェイ山麓駅辺りで1400m。ロープウェイ山麓駅の少し下にある休暇村那須まで、どんどん標高を上げていく。

夕方になってどんどん冷え込んできた。

途中、殺生石やつつじ吊橋など見どころもあるが、ほとんどスルーした。

唯一、那須高原展望台に立ち寄った。

那須高原展望台より
金色に輝く雲が美しい。

展望台には誰もいない。寒さのためゆっくり景色を眺める余裕はない。数枚写真を撮って休暇村へ向かった。

休暇村那須は、バイクは車の駐車場に停める。

日暮れ前の広々とした駐車場に車は20台ほど。冷たい風が吹きつけていて、寒々とした雰囲気だ。

チェックインを済ませ、すぐに身体を温めに風呂に向かう。

泊まっている客は少なそうだ。風呂には僕のほかに、一人。ゆっくり風呂に浸かって冷え切った身体を温めた。

明日は茶臼岳に上る予定だが、この寒さが続くようなら登る気になるだろうか。

もう一度、那須どうぶつ王国へ

標高1400mの朝は寒い。

とても那須ロープウェイに乗って、茶臼山へトレッキングをする気にはならない。

10日目に入り、かなり疲れも出てきた。

結局、昨日思い通りの鳥の飛ぶ姿を撮影できなかった那須どうぶつ王国のバードパフォーマンスを、もう一度見に行くことにした。

バードパフォーマンスの午前のショーは、11:00に始まる。

休暇村那須からは20分ほどで着く。

昨日は那須どうぶつ王国の中で、バードパフォーマンス会場への移動に手間取ったことを考え、少し早めに着くことにして、9時半頃に休暇村を出発した。

那須どうぶつ王国の駐車場は、10時なのにもうかなり埋まっている。コロナ禍で、どこのテーマパークも閑散としているのに、那須どうぶつ王国の人気の高さがうかがえる。

今回は早めに行っていい席を確保したいと、まっすぐ園内バスに乗って王国ファームに向かった。

王国ファームに着いて、バードパフォーマンスの会場を見ると、まだ30分以上前だというのに、もう14,5人の観客が並んでいる。

僕も寄り道することなく、その列に並んだ。

15分ほど前に開場した。

僕の前に並んでいる人は、ほとんど最前列の席へと急ぐが、僕は昨日の経験をふまえて、最後部らから3列目の下手の端の方に席を取った。

この日は金曜日だからだろうか、昨日より観客の数が多い。始まる前に上手側の閉鎖していた席も開けて観客を入れたが、それもショーが始まる頃には埋まっていた。

前掲の動画に2日目のショーの様子も入れているが、この日は鳥の飛ぶ姿のいい動画が撮れたと思っている。

このバードパフォーマンスは、演出がうまい。

他の動物のテーマパークも、鳥のショーはいろいろやっているが、ここほどの迫力や美しさはない。

屋外でやっていることもあるのだろう。屋外でやるからには、鳥が飛んで行ってしまうようなリスクもあると思うのだが、きちんと訓練しているのだろう。

さらに観客の頭すれすれに飛ばしたり、観客の手に止まらせたりと、日ごろかなり綿密に鳥を教育しているようだ。

また、みみずくの静かに飛ぶ様子、ハヤブサの高速で狩りをする様子、コンドルのゆっくり飛ぶ姿、白頭鷲の遠くから優雅に飛んでくる姿、コンゴウインコの美しい姿など、それぞれの鳥の特徴を見事に引き出していると思う。

この日もあっという間の30分のショーを堪能した。

ショーが終わると、観客の多くはバスに乗る列に向かう。この日はショーが終わってスタッフと会話を交わしながら鳥の写真を撮ったり、王国ファームの奥まで散策したので、列に並ぶのが遅くなった。並び始めてから3台目のバスで王国タウンにむかった。

ここで昼食を取ろうと、一人でも入れそうなヤマネコテラスというレストランに向かう。

バードパフォーマンスが終わって、多くの観客が昼食を取るのだろう、レストランは満席で待っている人が何人かいる。

那須どうぶつ王国の王国タウンには、食事をするところが少ない。このレストランの他には、バーベキューとカフェしか見当たらなかった。

カフェに行ってみると何とか座れそうなので、カフェマヌルヌマでハンバーガーとポテトで腹を満たした。

この日は時間があったので、王国タウンを見て回った。

このどうぶつ王国には、僕が今まで見たことのない動物が色々いる。

最近有名になったマヌルネコをはじめ、思ったより大きなアメリカンビーバー、真っ白な北極オオカミ、やたらかわいいスナネコ、超スローなフタユビナマケモノ。

その他にも、ハシビロコウ、レッサーパンダ、ガラス越しに上から見下ろしていたジャガー、アカカワイノシシ、哀愁漂うヒロハシサギ。

マヌルネコ
北極オオカミ

もともと動物園が好きな僕にとっては、じっくり見ると結構楽しい。

色々見て回って那須どうぶつ王国を出たのは、3時近くになっていた。

ここからこの日の宿泊地、鬼怒川観光ホテルまでは約2時間弱。

走り出して間もなく冷たい雨が降ってきた。

雨の中、那須高原道路を那須塩原に向かって走る。雨は徐々に強くなってきた。

鬼怒川温泉

鬼怒川温泉には、矢板スマートICから東北自動車道に乗るのが最速ルートだが、どこで失くしたか分からないがUSB充電器がなくなったので、那須塩原のヤマダ電機に寄って行くことにした。

那須塩原から黒磯板室ICから東北自動車道に乗り、矢板北スマートICで降りて、国道461号線で鬼怒川に向かう。

鬼怒川観光ホテルは、元は鬼怒川では老舗のホテルだが、現在は大江戸温泉物語グループが買収して、経営しているホテルである。

大江戸温泉物語は、日本全国の経営の悪化した観光ホテルを買収して、徹底した経営の合理化とブランド力を利用した顧客誘致を図って経営を成り立たせている。

どこのホテルも大きく改修を行わずに経営を行っているため、設備や内装は古いまま使っているところが多い。

設備投資の抑制と合理化で、以前より宿泊費を抑えている。

今回も那須の後は、日光いろは坂を走りたかったので、那須と日光の途中で一人での宿泊を受け入れているホテルを探していて、この鬼怒川観光ホテルに行き当たった。

日光や鬼怒川は、東京からの観光客が多く、一人での宿泊を受け入れてくれるホテルが少ない。最後まで粘って探したが、結局スケジュール的にも鬼怒川辺りが適当と思い、一昨日に予約を入れた。

予想したとおり案内された部屋は、1階の天井近くに小さな明かりとり窓があるだけの暗い部屋だった。

食事もバイキングで、内容は乏しい。

これなら、食事はさみしい所が多いが宿泊費が同じような休暇村のほうが、立地環境がよく部屋が広く明るい分いいと思った。

明日は、最後の目的のいろは坂だ。この日は寝るだけ、明日は早く出発しようと

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