極寒の天元台
南東北第7日目、休暇村裏磐梯で爽快な目覚め。窓を開けると正面に磐梯山。天候は曇り、ところどころ青空がのぞいている。
今日は行きたいところが詰まった一日だ。昨日、白布峠から見た紅葉が忘れられず、予定にはなかった天元台にも行ってみることにした。
その後五色沼、そして待望の磐梯吾妻スカイライン。最後に林道を走って滑川温泉へ。今日の一日は、この南東北ツーリングのメインイベントだ。
チェックアウトを済ませ外に出てみると、寒い。気温は5℃を下回っているだろう。
まずは天元台を目指す。
昨日走った西吾妻スカイバレーを天元台に向けて走る。白布峠を越えてしばらく下ると、天元台のロープウェイへの入り口が見えてくる。
天元台のロープウェイは、思ったよりこじんまりしている。駐車場も上段、中段、下段と三つあるが、どれも二、三十台しか停めれない。しかも地面は砂利か土だ。
朝が早いからか、まだ満車にはなっていない。昨日ITで見ると、天元台は紅葉が見ごろと表示されていたので、かなりの人出ではないかと心配していたのだが、今のところ大丈夫そうだ。
天元台ロープウェイで上がると、そこからリフトが3基続いており、最上部から2時間ほどで西吾妻山の山頂まで登れる。途中にもいくつか展望台や周回コースなどが設定されており、体力や時間に合わせて登れるようになっている。
ロープウェイとリフト3基乗り継ぎで、往復3800円。結構高い。最上部の北望台は、もう落葉が始まっているようだ。できれば、リフトで最上部まで行って、かもしか展望台位まで歩いてみようと、ロープウェイ・リフト共通往復券を買った。
ロープウェイには、僕以外は年配のカップルが2組だけだった。
少し上がると山の上部が見えてくる。最上部はガスに覆われていた。
天元台高原で降りると、かなり寒い。雪質の良さで知られる天元台のスキー場はここから始まる。標高は、この辺りで1300mほど。寒いわけだ。この辺りは、落葉が始まっていた。
ロープウェイの高原駅からリフト乗り場までの間にレストランがある。ロープウェイで上がってきた人には、芋煮が無料で振舞われていた。ほとんどの人がこのレストランに入っていく。僕はリフトから下りてきてから食べようと、リフトに向かう。他にリフトに乗る人は、冬山の装備をした女性が一人だけだった。
リフトの1基目はまだよかったが、2基目、3基目と上がるにつれて、寒さが増していく。リフトから写真を撮ろうとするが、バイク用の手袋では、手がかじかんでしまって、思うように写真が取れない。
3基めの降り場、北望台から先の上部は深いガスがかかっていた。北望台は標高1800m。堪らなく寒い。3基目のリフトの途中から、先へ歩くのは諦めた。
リフトを降りるなり、Uターンして下りリフトの乗り場に。リフトの係員が一旦控室に戻りかけて、僕が下りリフトに乗ろうとしているのをみて、慌てて引き返してきた。
係員に「寒すぎるわ」と一言。みんなすぐ引き返していくと笑いながら返してきた。
1基目のリフトを降りてレストランに向かう。途中、別の係員が向うへ行くと滝が見れるよ、と言ってくれたが、滝や風景を楽しむ余裕はない。早く芋煮で身体を温めたい。
冷え切った身体には、芋煮がありがたい。一息ついてロープウェイに向かった。



ちょっとだけ五色沼
ロープウェイの乗り場、湯元駅まで降りてくると寒さがまったく違う。耐えられる寒さだ。800mの差は大きい。
上がってきた道を引き返し、桧原湖に向かう。
檜原湖第一駐車場にバイクを停めて、一息つく。暖かいコーヒーを一杯。天元台の寒さで、体が凍ばっている。疲れを感じた。
もう昼前だ。本来なら、ここから五色沼入り口までバスで行き、五色沼を歩く予定だったが、とてもその気力がない。とりあえず早い昼食にする。
駐車場の奥のボート乗り場にかけて、いくつかのお土産物屋とレストランが並んでいる。
その中の一番手前のレストランの前にいたおばさんが、2階で食事ができますよ、と声をかけてきた。「うちの蕎麦は手打ちそばです。」
なんか怪しげだったが、冷え切っている身体には何でもよかったので、この「北の茶屋」に入る。
おばさんの手打ちそばの言葉を信じて、てんぷらざるそばを注文。1500円。
僕は手打ちぞば、十割蕎麦は、必ずざるで食べることにしている。
出てきたものをみると、どう考えても手打ちではない。色は白っぽいし、十割蕎麦でもない。伸ばしたものを切った四角い切り口でもない。
んー、だまされた、と思ったが、食べてみると悪くはない。少なくともてんぷらは衣がサクサクしていて揚げたてであることは間違いない。ま、良しとしよう。
バスに乗って五色沼入り口まで行くのは、これから磐梯吾妻スカイラインを走って滑川温泉まで行くには、時間的にも無理だが、ここまで来て五色沼を見ないわけにはいかない。
そこで柳沼側の入り口から入って毘沙門沼くらいまで歩いてみようと思った。
五色沼の柳沼側入り口は、檜原湖第一駐車場の少し先の裏磐梯物産館駐車場から入る。距離的には200mほどだが、バイクに乗って移動した。この駐車場もそれほど混んでいない。
五色沼に来たのは20年ぶりだろうか。昔と何も変わっていない。20年も経つと木々が生い茂っていてもおかしくないのだが、木々が生い茂って沼が見えないようなこともない。
変わったことは、歩いている人が少ないということだ。以前は広い遊歩道に、バスで来たツアー客が列をなして歩いていた。この日はぽつりぽつりとすれ違うだけ。閑散としている。
お土産物屋で客の呼び込みをやるのもわかる。



五色沼を早々に切り上げて、磐梯吾妻スカイラインに向かった。
初めての浄土平だったが……
裏磐梯物産館の駐車場を出て、まず磐梯吾妻レークラインに向かう。レークラインには、天元台からの道との交差点に戻って、その先のガソリンスタンドのある三差路を左折する。
入ってしばらくは小野川湖の横を走るが、鬱蒼とした森のなかで湖は見えない。しばらく走ると高度を上げ、視界が開け三湖パラダイスに着く。秋元湖、小野川湖、桧原湖の裏磐梯の3つの湖が見えるところだ。
しかし天候があまりよくなく、かすかに雨の気配もあったので、三湖パラダイスはスルー。
しばらく走ると中津川渓谷レストハウスの入り口が見えてくる。
中津川渓谷は、秋元湖にそそぐ中津川の渓谷で、紅葉で有名な場所だ。しかし中津川渓谷の紅葉はまだ始まっていなかった。
ガラガラの駐車場をトイレだけ済ませて、早々に出る。
磐梯吾妻スカイラインの浄土平の標高は、1600m。気温は、手持ちの温度計で0℃。しかもかなりの強風が吹いていた。天元台の北望台より少し低いが、吹きつける強風で天元台より体感温度は低く感じた。
レストハウスも閉まっており、浄土平の駐車場もガラガラだ。人の姿もほとんど見当たらない。
ここのバイク専用駐車場はかなり広い。バイクでここに来る人が多いのだろう。
バイクの駐輪場には2,3台停まっていたが、みんなレストハウスの陰で風を避けている。
レストハウスが閉まっているため、中のトイレが使えない。バイク駐車場の横の簡易トイレで用を済ませる。
本来ならすぐ横の吾妻小富士へ登る予定だったのだが、あまりの寒さのため止めた。
浄土平を過ぎると、濃霧で10mほど先しか見えなくなった。ゆっくり走る前の車のテールランプを追いかけながら、ゆっくり降りる。濃霧は高湯あたりまで続いた。
高湯あたりで4時半。ここから宿泊地の滑川温泉まで1時間ほどかかる。冷えた身体を温泉で温めたい。先を急いだ。
滑川温泉へ荒れた狭い道を走る。
滑川温泉には、福島市から国道13号線で米沢方面に向かい、東栗子トンネルを越えたところから左に入り、奥羽本線の板谷駅に向かう。
板谷の集落を越え、しばらく走ると直進が米沢、左折が姥湯温泉、滑川温泉、峠駅と書かれた経路表示板が現れる。この三差路を左折する。
ここから本格的な山道だ。路面は荒れ、車とバイクとの離合もままならない細い道が続く。2kmほど進むと、また三差路に出る。右に峠駅、左に滑川温泉、姥湯温泉と書かれた木の案内板がある。表示通り左に進む。
森に囲まれた見通しのきかない細い道が続く。大阪を出るときは、この道は未舗装路だとおもっていたが、舗装はされている。しかし荒れた道だ。
この荒れた狭い道を走って、滑川温泉福島屋に到着。
車との離合はバイクでも厳しい狭い道だが、福島屋までの間で1台も車と出会わなかった。この道の行きつく先は、滑川温泉とその奥の姥湯温泉だけ。それほどまで山の奥深い秘湯だ。
計画の段階では、姥湯と滑川のいずれかを対象としたのだが、姥湯温泉桝形屋は2か月前の計画の段階でもう満室だった。
一方滑川温泉福島屋はこの日1室だけ空いていたので、まだ行程も決まっていなかったのだが先に予約を入れた。
だから、蔵王から戻るような形で滑川温泉に行く行程になってしまった。
それほどまで、秘湯ブームの中で人気の温泉なのだろう。
確かに、温泉は素晴らしい。内湯が男女別で二つ、露天がヒノキ風呂と岩風呂の二つ。露天は基本混浴だが、ヒノキ風呂は時間帯によって女性専用に設定されている。
露天風呂は建物の外にあり、一旦外履きに履き替えて男女別になっている脱衣所に入る。
湯は白濁した硫黄泉で、源泉かけ流し。湯温はやや温めで長く浸かっていられる。
到着すぐは、露天風呂に行くにはわずかだが外に出なければいけないので、冷え切った身体を先に温めることにして内湯に入り、評判の高い露天風呂には食後に行くことにした。
しかし食後は、この日の寒さに耐えながらのハードな行程が堪えたのか、布団を敷いて横になるとすぐ寝てしまった。夜中に目が覚めたのだが、さすがに寝静まった中を風呂に行くのをためらい、朝まで待つことにした。
早朝まだ暗い中、露天風呂に行ったが、雨が降っている。しかしここまで来た限りはと、雨の中露天風呂に浸かった。
部屋に帰って天気予報を見ると、今日の目的地、会津若松や猪苗代は一日中雨のようだ。
しかし、仙台の方を見ると、晴れになっている。東北の中央の山を挟んで、西側は雨、東側は晴れのようだ。
この日は休養日と考えて、喜多方から会津若松を経て、猪苗代に泊まるあまり見どころのない、距離もそれほど走らない行程を組んでいたのだが、そのルートはすべて今日一日雨模様だ。
結局雨を避けて、東へ行くことにした。郡山の東に、計画の時立ち寄ることを検討したあぶくま洞がある。ここに行って早めに猪苗代のホテルに入ることにした。
この日は、あぶくま洞に行っても時間的に余裕がある。福島屋を10時前に出発した。出発するときには雨は止んでいた。
あなたは亘理(わたり)の「はらこ飯」って知ってるか?
福島屋を出発して、昨日の道を下り板谷の集落へ出る。板谷駅から少し行ったところにある米沢街道石畳道入り口へ行ってみようと思ったのだが、板谷駅の所でバイクを警備員に停車させられて、向うからくる大型ダンプカーを待たされた。
待っている間に警備員が、この先の板谷峠で工事をやっており、ダンプカーがたくさん行き来しているので、国道に出られるのなら、板谷の集落から出てください、と言われた。
仕方がないので石畳道はあきらめ、板谷から国道13号へでて、福島へ行くことにした。
福島市街地の手前のコンビニで、ルートを確認するためコンビニに立ち寄り、コーヒーを飲みながらスマホの地図を見ていると、男の人が声をかけてきた。「大阪から
福島市街地の手前のコンビニで、ルートを確認するためコンビニに立ち寄り、コーヒーを飲みながらスマホの地図を見ていると、男の人が声をかけてきた。「大阪からバイクで来たのですか?」
その人もバイク好きで、BMWに乗っており、昨年仙台から紀伊半島を一周したらしい。
いろいろバイクの話で話し込んだ。最後にこの辺りでおすすめの昼食はないか尋ねると、亘理(わたり)のはらこ飯を薦められた。
亘理という地名も読み方も分からないので、googlemapではらこ飯で探すと「あら浜亘理店」を指さし、ここが旨いと言う。
googlemapでは、福島から1時間少しで行く。亘理は仙台と相馬市の間にある町だ。
昼にはまだ余裕があるのだが、この店はお昼時は待ちが出るということなので、高速を使って行くことにした。
福島飯坂ICから東北縦貫自動車道で白石まで行き、太平洋に向かって走ると亘理町に入る。あら浜亘理店は海岸の近くにある。
高速に乗ると青空が見え、日差しが当たるようになった。日差しのおかげで寒さも緩んできた。
あら浜は、大きな看板ですぐに見つけることができた。周りには、わずかの住宅と畑が広がっている。
駐車場は店の前に数台と、横の路地を渡ったところに20台ほどある。バイクの専用駐車場はない。
11時半に着いたのだが、駐車場はほぼ満車、店の前には待っている人が数名屯っていた。

隅が一台空いていたのでそこにバイクを停め、店の前に行くと、携帯で順番を登録するシステムになっていて、QRコードが貼ってあった。
QRコードを読み込むと、Lineで「順番待ち」というサイトにつながり、そこに名前などを記入して登録すると、番号が与えられ、待っている人の番号の一覧が出る。
12時前だというのに25番目だった。待ち時間は約1時間と出ている。周りには飲食店など全く見当たらない。
待つ人のために椅子はあるが、数席しかない。車で来た人は車の中で待つことができるが、バイクで行くと吹きっさらしの中で待つことになる。しかし滑川温泉に比べると寒さはかなりましだ。
店前にあったパンフレットを見ながら、待つことにした。
はらこ飯とは、亘理の漁師の郷土料理で、阿武隈川で獲れた鮭の切り身とイクラを、出汁で炊いたご飯の上にのせて食べる丼のようだ。伊達政宗も亘理にきた時に供されて、絶賛したと書かれていた。
期待しながら1時間ほど待つと、自分の番号に呼び出しマークが入る。店の待ち席に座ってしばらく待っていると、係員に名前を呼ばれた。
あら浜は元は寿司店で、メニューを見ると寿司や刺身、他にもてんぷらやコース料理もある。メニューの見開きには、全面使ってはらこ飯があった。セットははらこ飯と鮭のあらの汁がついて1700円、はらこ(いくら)大盛が700円up。そのほかはらこ飯と刺身セットやてんぷらとのセットもある。
口コミで皆が絶賛しているはらこ飯をはらこ大盛で注文した。
僕は以前はいくらはあまり好きではなかった。しかし北海道でいくらを食べて以来覆された。新鮮ないくらは、口の中ではじけて、ほのかな塩味と旨さが口に広がる。その感覚が堪らなく好きになった。いくらは新鮮でなければならない。
出されたはらこ飯は丼全体にはらこが乗っていて、鮭の切り身がイクラの間から垣間見えている。それだけで旨そうに思える。
イクラとご飯を一緒に口に入れると、イクラが口の中ではじけて、出汁で炊かれたご飯と絶妙のハーモニーを醸し出す。旨い! いくらは新鮮だ。
鮭の切り身を口に入れる。わずかに火を通した切り身は、ぱさぱさしておらずしっとりとして柔らかい。
この店では、はらこ飯は9月から12月までしか供していない。12月からは宮城県の特産の牡蠣を出すようだ。それぞれの食材の旬にこだわっているのだろう。
ITでは、はらこ飯は宮城県全体で食べれるようだ。関西人の僕は「はらこ飯」の名前さえ知らなかった。仙台の駅弁にもあるようだが、本来は亘理の特産らしい。
この店は本場の伝統を守っているのだろう、いままでの鮭の印象を覆された。きっと他で食べたら、この店ほどの旨さを感じることはないだろうと思う。
ここのところ昼食というと蕎麦ばかり食べていたので、この日の昼食には満足した。コンビニでここを教えてくれたライダーに感謝しなければ。
僕がこの店の予約を入れた後も、続々と客が詰めかけて、僕が出るころには1時間以上待つようだ。それでも客は予約を入れて車で待っている。
店の駐車場は満車、路上や駐車場に車を乗り入れて待つ車が後を絶たない。
どこにあるかわからないが、この道の先に車を停めて歩いて店まで来る客もいる。
この店ではらこ飯を食べれる時季に、もう一度来たいと思った。
あぶくま洞は、衝撃的!
続いてあぶくま洞へ向かう。
あぶくま洞は福島市を越え、さらに南の郡山と太平洋岸との中間辺りにある。
あぶくま洞は、亘理から高速を使っても2時間ほどかかる。
国道6号線で福島第一原発のある浪江町や津波で大きな被害を受けた南相馬を通って行く手もあったのだが、亘理のはらこ飯で時間がかかって、この時点で1時過ぎ。あぶくま洞から猪苗代まで、さらに1時間ほどかかるので、高速を使って行くことにした。
あら浜亘理店からほど近くの鳥の海のスマートICから常磐自動車道に入り、常磐富岡ICで降りる。さらに山道を1時間近く走って、あぶくま洞へ着いた。
東北には龍泉洞や幽玄洞などの鍾乳洞がいくつもあるが、あぶくま洞はどこの洞窟や鍾乳洞のランキングを見ても1位になっている。
山の中腹にあるあぶくま洞へ登る道は、きれいに整備されており、駐車場はかなり広い。バイクの専用駐車スペースも設けられている。
これだけの駐車場が設けられているのだから、かなり人気の観光地なのだろう。
しかしコロナ禍の影響か、着いた時には車は数台、バイクも1台だけしか止まっていなかった。
もう3時を過ぎている。山の中腹にあるあぶくま洞はかなり寒い。
ほとんど人のいない広い駐車場を横切って、発券所で入場券を買う。1200円。洞窟の入場料にしては高い気がする。
中に入ると、その入場料もざらではないということが判った。
屋根のついた通路を行くと、鍾乳洞入り口が現れる。入り口から見ると洞窟は他の洞窟と大差はない。中で曲がっているので、奥の様子は分からない。
洞窟に入ってしばらく行くと、突然視界が広がる。そこには鍾乳洞らしいつらら石や石筍が見られる。
通路を歩いていくと、特徴的なつらら石や石筍、フローストーン(流石)、カーテン(幕石)などが続いて現れる。特に特徴的な名前が付けられている。
あぶくま洞はこの鍾乳石にカラーライトを当てている。洞窟の広さは秋芳洞に及ばないが、長い通路を歩いていくと次々と特徴的な鍾乳石に赤や青、緑や黄色などその石に合わせたライトを当てて演出している。これが結構美しい。




じっくりと写真を撮りたかったのだが、僕の前に十数人の若い団体が所々で記念写真を撮ったり話込んだりしており、後ろにはカメラを構えた人が続いていて、思い通りには写真が撮れなかった。
これでもコロナ禍のおかげでましな方なんだろう。通常ならもっと観光客が多く、写真どころではなかったかもしれない。
あぶくま洞の内部は奥が深い。写真を撮りながらだが、出口まで30分ほどかかった。でもその30分も十分楽しめる30分だった。
駐車場に戻った時には、4時半になろうとしていた。
猪苗代と磐梯山
この日の宿泊は、猪苗代のリステル猪苗代。当初の計画では、会津の鶴ヶ城へ行きたかったので、会津市内のビジネスホテルに宿泊するつもりだった。
ビジネスホテルの予定なので、予約は南東北に着いてからでもいいだろうと、出発前には予約は入れなかった。
仙台のホテルでルートを洗いなおしてgooglemapを見ていると、リステル猪苗代が目に留まった。高層のホテルで、部屋からは猪苗代湖と磐梯山の景観が美しい。
シングルルームもあり、高層階の部屋で食事付きで18000円。ここから鶴ヶ城へ行くのも40分ほどで行ける。もう一つ寄りたかった会津さざえ堂もそれほど遠くない。
会津のビジネスホテルより2倍ほどの出費だが、磐梯山をじっくり見たいと思い、仙台から予約を入れた。
あぶくま洞から猪苗代へは、東北横断自動車道と磐越自動車道をつないで行く。
東北横断自動車道いわき新潟線の田村スマートICから乗り、猪苗代磐梯高原ICで降りる。東北横断自動車道は、東北自動車道と交差する郡山JCTで磐越自動車道いわき新潟線に名前を変える。
東北横断自動車道は高原地帯を走る。さらに磐越自動車道は猪苗代に向けて高度を上げる。磐梯山から吹き降ろす風が冷たい。磐越自動車道を走っているうちに日が暮れ始めた。寒さがぐっと増す。
5時半頃、ホテルに着いた。身体が冷え切っている。
部屋は14階。窓から猪苗代の夜景が美しい。とりあえず温泉に浸かって身体を温めよう。
この日の走行距離は280㎞。すべて高速道路を利用したが、風が冷たく寒さとの戦いだった。
休息日の予定だったが、寒さの中を走ったせいでかなり疲れた。風呂と食事を済ませて部屋に戻るなり、ベッドにもぐりこんだ。
明日も寒さとの戦いになるのだろうか。
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