南東北ツーリング 第5日~第6日 仙台→蔵王温泉→裏磐梯 2021/10/17~10/18

蔵王温泉から中尊寺へ行って、西吾妻スカイバレーをへて檜原湖へ Bike touring
10/13~25 南東北バイクツーリングへ行きました。その時の5日目と6日目の詳細です。 5日目は、仙台を出て、中尊寺へ行き、中尊寺から蔵王温泉へ蔵王エコーラインで行こうとしましたが、蔵王エコーラインは通行止め。西蔵王高原ラインで蔵王温泉へ。 6日目、蔵王温泉から、蔵王エコー欄の坊平まで行き、折り返して米沢から西吾妻スカイバレーを経て、桧原湖へ。 宿泊は、休暇村裏磐梯です。

中尊寺に行ってみよう。

昨夜、天気予報を見ると10月17日の仙台は曇り、蔵王は雨が降るようだ。

計画では午前中蔵王へ入り、ロープウェイで地蔵山頂へ上がり、熊野岳くらいまでトレッキングをしようと思っていたのだが、気温の低い山を歩く準備はしていない。

そこで、一度は行きたかった中尊寺へ行くことを考えた。仙台から中尊寺へは、高速を使って1時間半ほど、約100kmはある。そこから蔵王へ行くには、一旦仙台まで戻って蔵王エコーラインに向かう。往復で300kmの行程になる。

中尊寺を見学して、早めの昼食をとった後蔵王に向かうと、何とか5時前には蔵王に到着すると計算した。

よし、中尊寺へ行こう。金色堂は一度は見てみたい。

朝9時にはホテルを出た。

仙台宮城ICから東北自動車道に乗る。凄まじい風が吹いていた。東北自動車道は、吹きっさらしの所がかなりある。両側に全く障害物のない所では、バイクがかなり振られる。まっすぐ進路を取るのも一苦労だ。

時々突風が吹きつける。その瞬間にバイクが1,2m風下に持っていかれる。一定に風が吹いている所では、少し風上側にバイクを倒しながら走らないと、直線を保てない。

かなり寒い。寒さと強風を予想して、ジャケットの下にインナーダウン、その下にフリース、オーバーパンツも穿いているが、風が首あたりから入り込む。

途中2度ほど、PAで休憩を取りながら、何とか平泉前沢ICにたどり着いた。

平泉前沢ICから中尊寺の駐車場までは、5分ほどで着く。

中尊寺の駐車場のゲートで、バイクを停める場所を指示される。駐車料は200円。2台ほどバイクが止まっていた。一台は横浜ナンバーの大型、もう一台は小型のカブ、群馬ナンバーだ。どちらも山ほど荷物を積んでいる。

中尊寺の参道の緩い上り坂を登る。途中いくつか御堂があったが、時間がないのでほとんどスルー。

讃衡蔵という展示物がある建物で、入館料800円を払う。讃衡蔵に入る時に写真撮影は禁止ですと念を押された。讃衡蔵には仏像や経典が展示されていたが、これも軽く目をやっただけで通過。一旦外へ出て、隣の金色堂へ向かう。

金色堂は、平安末期、奥州藤原氏の清衡によって建立された。全面金箔で覆われ、金色に輝く建物であるが、鎌倉時代の初め、金色堂を覆う覆堂が建てられた。

現在は1965年の修復工事とともに建てられた鉄筋コンクリートの建物の中に収められ、さらにガラスケースに入れられて温度・湿度を調整している。見物客はガラス越しに金色堂を見る形になる。

以前の覆堂は近くに移設されている。この覆堂も国宝だ。

覆堂の中に入ると、係員が金色堂の5分ほどの解説をしている。この開設の間、見物客は正面から金色堂を見ながら解説を聞き、それが終わると次の見物客が正面に立ち止まって解説を聞くという形の、入れ替え制のような見物の形式が自然にできていた。

幸い金色堂は火災や戦火から逃れ、建立当時のものが現存している国宝であるが、金箔の剥落などの劣化が進んでいたため、1965年から解体修理により、建立当初の姿に復元されているそうである。

金色堂には、阿弥陀三尊像をはじめとする多くの仏像が安置されているが、それとともに中央、右壇、左壇には、藤原三代の清衡、基衡、秀衡のミイラが安置されているらしい。奈良時代より火葬が日本の文化であるが、北方民族のアイヌには遺体をミイラ化する文化があったらしい。日本には珍しいミイラが、ここ中尊寺には現存しているようだ。

中尊寺の参道。まもなく紅葉のトンネルになるのではないだろうか。
金色堂の覆堂。この中に金色堂がすっぽり入っている。
鎌倉時代に建立された覆堂。これも国宝だ。

念願の金色堂の見学を終え、他の御堂は目もくれず中尊寺を出た。

中尊寺の駐車場の周りに2,3軒のレストランとお土産物屋が並んでいる。その最も手前にあったお土産物屋の2階で、蕎麦を食べる。かなりおいしい。東北に来てから、この後も昼食に蕎麦を食べることになるが、今考えるとここの蕎麦は、僕の口では上位に入ると思う。

中尊寺は、1時前に出発。本来なら近くの毛越寺も見学したいところだが、今回はあきらめ蔵王に向かう。

蔵王エコーライン通行止め

中尊寺から、往きと同じ東北自動車道を南下する。帰りも強風が吹き荒れている。場所によっては時速80kmまで減速しなければならないところもあった。

後で知ったのだが、この日気仙沼は最大瞬間風速15m/s、平均7.8m/s だった。10m/s を越えるとバイクでの走行は危険とされているので、厳しい状況だった。強風の中の走行は、体感温度も下がる。高速で走った1時間、寒さとの戦いでもあった。

ようやく村田ICで降りる。村田ICからみやぎ蔵王を目指して走る。幸い朝からみやぎ蔵王まで、雨にあわなかった。みやぎ蔵王から蔵王エコーラインに入る。いよいよ待望の蔵王エコーラインだ。期待に胸が膨らむ。雨が降っていないことを祈りながら蔵王大権現の鳥居をくぐって、エコーラインに入る。

通行止めだった蔵王エコーラインと西蔵王高原ラインの走行動画。(音あり。11分)

蔵王エコーラインに入ってしばらくするとまた雨が降り出した。慎重なライディングでワインディングを登っていく。

エコーラインの下部は、ブナ林の中をきついカーブもなく快適に高度を稼ぐ。尾根筋に出てもしばらくはブナ林が続き、雨も止んだ。

滝見台を過ぎると視界も開け、本格的なワインディングが始まる。路面が乾いていれば楽しそう。ただ気温が低く、手持ちの温度計は、0℃を示している。凍結しているかもしれないと、スピードはあげれない。

冬期には閉鎖されるすみかわゲートを過ぎ、蔵王寺の入り口を過ぎるて、賽の磧の駐車場の先でパトランプが回っている。通行止め!この時期に?

後で知ったのだが、蔵王の苅田峠や蔵王ハイラインは積雪しているそうだ。

蔵王の蔵王プラザホテルに予約を入れている。蔵王をキャンセルしてみやぎ蔵王か仙台辺りで宿泊するか……。もしくはここから別ルートで蔵王温泉に行くとすると……。googlemapでルートを探す。

一旦みやぎ蔵王まで戻って、東北横断自動車道で山形市に入り、西蔵王高原ラインで蔵王温泉に入ることはできる。googlemapでは、ここから1時間半。時計は4時を示している。時間通りいけば、5時半頃、蔵王温泉に入ることができる。

蔵王プラザホテルにTELを入れ、到着が遅れることを伝えた。とりあえず急いてみやぎ蔵王まで下ろう。

登りは雨が浮いているため慎重に登った蔵王エコーラインを、かなり強引にワインディングを下りる。

宮城川崎ICから東北横断自動車道に乗り、山形蔵王ICで降りてすぐのコンビニで休憩。この時5時過ぎ。ここから20分ほどで蔵王温泉だ。何とか5時半には着きそうだ。

西蔵王高原ラインを蔵王に向けて登る。冬期蔵王に上がるには、西蔵王高原ラインか蔵王高原線しかない。関東から蔵王にスキーに行くときは、蔵王上山ICから蔵王高原線で蔵王に入る。だから僕は、この道を走ったことがない。

西蔵王高原ラインに入ると、日が暮れ始めた。山道は木が被い、対向車もライトを点けている。初めての道を夜走るのは不安だ。高原地帯の直線道路はスピードを上げ、距離を稼ぐ。

蔵王公園線との合流地点を過ぎ、ほどなく蔵王温泉に入る。蔵王プラザホテルは、蔵王スカイケーブルの乗り場の近く、最も奥に位置する。googlemapを頼りにホテルに着いた。

ホテルの入り口に着けると係員が飛び出してきて、玄関横の屋根の下に停めるように椅子やテーブルを片付けてくれた。

蔵王プラザホテルは、1泊2食で15,000円。フロントで聞くと、蔵王エコーラインは、本来冬期通行止めは12月中旬だが、11月に入ると時々積雪のため通行止めになるそうだ。今年は例年より少し早いとのこと。

蔵王プラザホテルは、源泉かけ流しの温泉自慢のホテル、部屋に入ってすぐ、食事前に温泉に行って、冷え切った身体を温めた。

蔵王山には雪が積もっていた

18日、この日の予定では米沢から喜多方に入り、喜多方ラーメンで昼食後、檜原湖の駐車場へ行き、バスで五色沼の入り口へ、五色沼を歩いて檜原湖に戻り、休暇村裏磐梯で宿泊という行程を組んでいた。

しかし昨日歩けなかったが、蔵王ロープウェイで上り、できるならお釜位まで歩いてみようと、蔵王ロープウェイに行くことにした。

9時にホテルを出る。晴れている。気温は昨日よりかなりましだ。

蔵王ロープウェイ山麓駅の改札の横の状況表示では、山頂の気温が⁻3℃、ガス、積雪ありと書かれている。山頂はあきらめた。

昨日、ロープウェイは強風のため運休していたらしいが、この日は運航していた。確かに風は収まっている。

蔵王ロープウェイは山頂まで行くのに、一度乗り換える。とりあえず途中の樹氷高原駅まで上がろうとロープウェイに乗った。

ロープウェイから山を見ると、上部は雪化粧している。

蔵王ロープウェイからの写真。山の上はガスに覆われ、雪が積もっている。
蔵王ロープウェイからの写真。鳥兜山だろうか、紅葉と雪景色だ。

樹氷高原駅は、ガスに覆われていない。横の山は紅葉に覆われ、山形市の盆地を見渡せる。

山の上部は紅葉が盛んだ。
山形の盆地が見渡せる。

気温は、0℃。寒い! 写真を撮って、次の下り便で降りた。

山麓駅から蔵王エコーラインは近い。今日もエコーラインは坊平から先は閉鎖されているようだ。とりあえず、今回の目的の一つは、蔵王エコーラインを走ることだったので、閉鎖されているところまで走ってみようと思った。

蔵王エコーラインを蔵王温泉側から坊平の通行止めまでの走行。(音あり。4:45)

蔵王エコーラインは、坊平側も気持ちのいい道だ。ブナの自然林の中や広々とした坊平の景観の中を、適度なワインディングで走ることができる。峠や蔵王ハイラインまで行きたかったなぁ。

春には再挑戦しようと心に決めた。

楢下宿は、のどかな雰囲気に満ちていた

蔵王坊平から県道12号で山形市へ下る。国道13号で上山から県道263号で楢下宿へ向かう。

楢下宿は、羽州街道の宿場町。脇本陣やいくつかの古い建物が残る。googlemapでも評価が高かったので、寄ってみた。

楢下宿の石橋。その手前の川沿いは小さな遊歩道に整備されている。この向かいに脇本陣がある。
楢下宿脇本陣。観光用に開放されている。地元のおばあちゃんが縁に座って話し込んでいる。のどかだ。
楢下宿には、このような古い茅葺の建物がいくつか残っている。中はほとんど解放されているが、ガランとしていた。

楢下宿には無料の観光駐車場があったので、そこに停めた。車もバイクも1台も停まっていない。すぐ横には男性用1人、女性用1人のトイレがあった。

カメラを持って楢下宿を歩く。地元の人も、観光客も人が歩いていない。お土産物屋や商店も一つも見当たらない。一番の見どころであろう脇本陣では、おばあちゃんが縁に座り込んで話に夢中になっている。のどかな雰囲気がこの集落にはある。

集落の集会場と児童公園に、生活協同組合であろう移動販売車が一台停まって、音楽を小さく鳴らして集客していたが、一人も買い物客はいなかった。

集落の中にはかなり新しい住宅がいくつか見られ、車が駐車してあった。ここの人たちは、山形市や米沢市へ働きに出ている人が多いのかもしれない。

ただその新しい住宅が古い街並みの景観を阻害している。観光地化には、程遠い道のりだ。

楢下宿をそうそうに出発。一旦米沢市に出て、昼食場所を探す。以前牛肉の品評会で金賞を取ったことのある米沢牛を食べたいと思い、googlemapで探すと、道の駅米沢で米沢牛が食べれるとのこと。

道の駅米沢は、かなり大きな道の駅だ。かなり広い駐車場があり、大きな近代的な建物の中に、農産品や特産品を売るショップのほかに、いくつかの飲食店が出店しているフードコートがある。米沢では、人気のスポットなのだろう、地元の人が大勢来ていて、駐車場もかなりの車で埋まっていた。

フードコートの中には、牛丼ぶり、ラーメン、蕎麦のほか、別にレストランとして米沢牛のステーキの店があった。

米沢牛のレストランは、本格的なステーキハウス。ステーキのほか牛ユッケ寿司やハンバーグなどもあるが、昼食にしては結構な値段だったので、牛丼ぶり屋で贅沢三種盛丼を食べた。

ご飯の上にステーキ、ローストビーフ、牛しぐれ煮が乗った丼だ。しかし後で知ったのだが、牛肉は国産黒毛和牛と書かれていて、米沢牛ではなかった。ステーキハウスにすればよかったと、後で後悔。

道の駅米沢を出て、西吾妻スカイバレーに向かう。

西吾妻スカイバレーは紅葉真っ盛り

西吾妻スカイバレーは、米沢から天元台を通って檜原湖に至る観光ロードだ。

計画の段階では、前の蔵王エコーライン、後の磐梯吾妻スカイラインに目を奪われて、気に留めていなかった道だ。途中天元台に寄り写真だけ取って、檜原湖へのアプローチと考えていた。

しかし西吾妻スカイバレーに入って走り出してみると、すっかりその快走ロードの面白さと景観の美しさに夢中になってしまった。

西吾妻スカイバレーから桧原湖まで(音あり。10分)

山形側は、直線と緩いカーブで高度を上げていく。天元台の入り口を越えるとワインディングが始まる。それでもそれほどきつくないワインディングだ。

西吾妻有料道路開通記念碑のある駐車場には、紅葉をねらう大勢のカメラマンが集まっていた。ここは紅葉を撮る絶好ポイントのようだ。

雲間から射す日の光に紅葉が浮かび上がる。白布峠の駐車場より
右上の山の上は雪がうっすら積もっている。白布峠の駐車場より
わずかに見える湖は桧原湖か? 頭をのぞかせている頂は磐梯山か? 白布峠の駐車場より

白布峠を越え、宮城県に入ると一転して厳しいワインディングが続く。景観が開け、紅葉が美しい。この景色を楽しみながら、山を下る。

ワインディングを楽しむなら、登りの方が楽しそうだ。路面にはブラックマークがついている。

ほどなくワインディングが終わり、平坦な直線主体の道路に出ると、早稲沢の温泉郷辺り。西吾妻スカイバレーの名前がついている道路はこの辺りまで。この先で檜原湖の湖岸道路に出る。

紅葉前の静かな檜原湖

檜原湖岸の道は雑木林の中を走る気持ちのいい道だ。右手には檜原湖、その向こうに磐梯山が見える。

檜原湖の中ほどまで来ると、キャンプ場が現れ、景観が開けた裏磐梯と呼ばれる地域に出る。この辺りには、多くの沼がある。吾妻山と磐梯山の扇状地だろう。檜原湖と小野川湖に挟まれた湖沼群の南端に五色沼がある。

裏磐梯を走り抜け、突き当りの交差点を右折して、桧原湖観光の中心地裏磐梯レイクリゾートに出る。

桧原湖第一駐車場にバイクを入れる。静かだ。

以前来た時には、五色沼を歩いてくる観光客を待つ観光バスがたくさん停まっており、観光客で溢れていた。

この日は、広い駐車場に自家用車が半分ほど埋まっている程度。ボート乗り場や観光船の乗り場にも、人はまばらだった。

静かな檜原湖は美しい。コーヒーを飲みながら、静かな檜原湖を30分も楽しんだ。

桧原湖は静かだった。人がほとんど見当たらない。
桧原湖は美しい湖だ。青い空と白い雲が湖に浮き立つ。

計画では、ここにバイクを停め、バスに乗って毘沙門沼側から五色沼を歩いてここへ戻ってこようと考えていたが、この時で4時を過ぎている。

五色沼の探索は明日にして、宿泊地の休暇村裏磐梯に向かうことにした。

休暇村裏磐梯は、先ほど走ってきた道を戻って湖沼群の中ほどにある。

バイクは玄関横の屋根の下に停めさせてくれた。

早くに予約を入れたからだろうか、窓いっぱいに磐梯山が広がる部屋に案内された。

休暇村裏磐梯の部屋からの磐梯山

この休暇村は、休暇村の中でもレベルが高いという印象だ。広い敷地には遊歩道がめぐらされ、キャンプ場や、今回は歩かなかったが湖沼群をめぐるトレッキングコースも設定されている。

露天風呂の湯は茶褐色で、いかにも効用がありそう。食事のレベルも高い。夜は無料の星空観察会が催されている。この日は星が見えなかったため、館内で星空観察のレクチャーを開いてくれた。

休暇村の多くで星空観察会が催されているが、他の所は星が見えないと中止、見えても星座と一等星の案内くらいで終わってしまう。ここは全員に双眼鏡を貸し出して、一時間ほど観察するようだ。

一泊2食で、18450円。他の休暇村より若干高めだが、納得できると思った。

明日は、このツーリングのメインの一つ、磐梯吾妻スカイラインだ。

だがこの時季、季節外れの寒波が来ており、かなり寒く、風も強く、午後からはところにより雨との予報。

浄土平が悪天候なら、今日行けなかった紅葉の天元台にも行ってみたいと思っている。その際、五色沼はどうするか。

浄土平が穏やかな天候であることを願いながら、期待と不安を懐きながら明日の朝を待つことにした。

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